境界面で遊ぶ

機能不全家族育ちの人間が望みの生活を手に入れるまでとその後の話

ある機能不全家族の話 その5

「ある機能不全家族の話 その4」からの続きです。

 

要するに介護生活の間だけ母の精神の均衡を何とか保てればいいのです。

どうすればいいのか、そのやり方を考える必要はありません。

母は昔から心の余裕がなくなると私に当たるクセがあるのです。

他にストレスを受け止めてくれる存在がいないからです。

 

 これから母に一人では解消しきれない多大なストレスがかかるはずです。

そういう時のクセで無意識に私をその受け皿にするでしょう。

「私は母の心のゴミ箱である」と覚悟を決めて、この危機的状況を母と二人三脚で乗り切るしかありません。

一時的な緊急措置として、意図的に母を私に対して依存させたのです。

 

依存はする側の自助精神を奪い、される側の精神にも大きな負担がかかるものです。

本来ならやってはいけない行いですが、当時の状況では、母の心が完全に参ってしまい最悪の結果を迎えるよりはずっとマシだったのです。

 

このような生活が10年ほど続きました。

 

 誤解のなきように申し上げますが、私の母は子供に愛情のない人ではありません。

ただ、母の抱える事情が一人で耐え抜くには過酷すぎただけです。

 

母の私への態度は決して褒められたものではありません。

しかし、自分の娘にそんな振る舞いは止めろ、と非難することは、稀代の聖女になれ、と要求しているに等しいことなのです。

私は自分の母親にそんな無茶な要求は出来ません。