閑話休題 その1 機能不全家族について
機能不全家族とは何でしょうか。
育児放棄や虐待など明らかに家族として機能していない家庭のことをいうのでしょうか。
しかし、日本の家庭は7割が何らかの機能不全を起こしている、という指摘もあります。
これほど高い割合で家庭内で深刻な虐待が行われているとは考え難いでしょう。
では、何をもって機能不全家族だといえるのでしょうか。
一ついえるのは、それがその家族内のうち養育される側、つまり子供から見た家族のことを指しているということです。
では、子供にとって家族が機能不全である、というのはどういう意味なのでしょう。
私が実体験としても、いろいろ学習した経験からもいえるのは、その子供が養育者(通常は親)から「無条件に愛された、自分の存在が丸ごと受け入れられた、という実感が得られていない」という状態を意味しているのではないかと思います。
親がその子を誰が見ても酷い扱いをしているのも機能不全家族、親が良かれと思って育てていても当の子供が「自分は愛されていない、親から無条件に受け入れられていない」と感じてしまえば、それも機能不全家族ということになります。
こういう思いを抱えたまま成長した子供は、大人になってからもいわゆる「生きづらさ」を感じるようになります。