境界面で遊ぶ

機能不全家族育ちの人間が望みの生活を手に入れるまでとその後の話

夫婦間で破滅的な喧嘩をしたときの対処法

※この記事は私がアンガーマネジメントが苦手な人物と長年接してきた経験から、夫婦間で取り返しのつかない暴言をどちらか一方が言ってしまったときの対処法を考察したものです。

些細な喧嘩にも応用が出来ると考えられます。

 

はじめに

この記事で取り上げている夫婦は、お互いに想い合っており、現時点では別れることを考えてもいないことが大前提になっています。

Aがたとえば、怒りに任せて配偶者Bに「お前は人間のクズだ」といった類の全人格否定の言葉を言った場合の対処法を考えてみました。

言われたBのダメージは甚大です。

さて、ここでBが売り言葉に買い言葉でAに対しても同じく人格否定の反撃の言葉を言ったら行き着く先は仮面夫婦か離婚です。

それだけは避けたい。お互いに想い合っているというのに、それでは悲しすぎます。

 

Aは何故そんなことを言ったのか?

まず、Aが配偶者Bに対して「人間のクズ」と言ったのはどうしてでしょう?

前提として、AはBに対して愛情があるにも関わらず、です。

実はAは怒りを感じると、本来、味方であるはずのBと敵の区別を付けなくなり、敵に対するやり方をBにもしてしまうのです。

謙虚に考えれば「人間のクズの要素」が一欠片もない人などいないので、言われたBは本当にAがそう思っているのだと思い込んでしまうのも仕方のないことでしょう。

しかし、繰り返して言いますが、同じ状況で怒ったときの敵に対する反応なのです。

このとき、Aには味方であるBの心情に意識は行っていません。

敵に対して如何に身を守るか(逃げるか)、ダメージを与えるか(戦うか)という選択で、戦うことを選んだということです。

そして、Bは戦うに値する相手と認識したということです。*1

 

もし、ここでBが対応を間違えれば、そのまま敵と見做される危険がありますが、この時点では挽回の余地が十分にあります。

では、Bはどうしたらいいのでしょうか?

 

Bの対処法

さて、Bの心は大きな傷を負いました。

ここで、ショックのあまり取り乱せばAに事の重大さを認識してもらえるかもしれません。

しかし、取り乱すということはBは適切な対処を放棄したことになり、Aの対処が失敗したら最悪です。

そして、Aが冷静なときはまともな人物であれば、この状況で動揺しているのは同じことです。

「人間のクズ」という言葉が完全な失言であることは明白で、味方に言うのはまずかったからです。

これ以降は、Aが過去に同じようなことをしたときにどのように対応したか(または相手からされたか)で態度が変わってきます。

 

怒りが冷めたときのA

まず失言したのなら怒りが冷めれば当然、心からの謝罪の言葉があるはずだというBの期待は外れることが多いです。

怒りにはキッカケがあり、Bにも非がある場合が多いので、たとえ暴言で傷つけたのはAのほうだとしても、Aが自発的に謝罪するパターンは少ないです。

何故なら、Aはこれ以外にも怒りを抑えることが出来ずに暴発したことが度々あるはずで、その度に謝罪し、かつ快く相手に受け入れられたという経験を積んでいれば、とっくにアンガーマネジメントが高いレベルで達成できていて、配偶者に対して暴言を吐くことはしなくなっているはずだからです。

 

それに謝罪したとしても、「暴言を言ったこと」に対して謝ることは出来ますが、「お前は人間のクズである」という内容そのものをなかったことには出来ません。

こともあろうに愛する相手から言われたBの心の傷は完全には癒されません。

このようにして、Aは自分の言葉が武器になることを学び、いったん凶器として使ってしまったら、それを慰撫するための言葉は(自分が使っても)無力であることを知ることになります。

 

というわけで、よくあるパターンはBに対して具体的なプレゼントをしたり、お互いの希望を満たす建設的な提案をしたりします。

(たまにあくまで自分を怒らせたBが悪いと子供ような態度を取るAさんもいますが…)

 

Bの心理

さて、前者のプレゼント作戦は、意外と効果的なのです。

Bのほうも物で釣ろうとしているのは分かってはいますが、少なくともAが反省していて何らかの償いをしようとしている、その気持ちがうれしいのです。

まあ、こういう人だし、しょうがないなぁという感じです。

どちらかが嫌にならない限り、喧嘩と仲直りを繰り返す、発展性はないが破綻もしにくいという関係が続くことでしょう。

 

そして、一見、良く見える建設的な提案には落とし穴があります。

それは、Bのほうが大きく傷つきつつも別れたくないと思っているからです。

この場合、Aが建設的な提案をしているつもりになっても、Bが「この提案を飲まなければ完全に嫌われるのではないか」と疑心暗鬼になり、自分がしたくもない譲歩をすることがあるからです。

Aのほうが自分の言葉を反省して、Bの希望を満たすためにはこうしたらいいんじゃないかと提案しているつもりになっていても、Bにしてみれば「これをやらないとお前はクズのままだよ」と言われているも同然になり、やりたくないのに頷かざるを得ない気持ちになります。

そして、無理にやることになり不満が溜まります。

本当はやりたくないのでやらないと、Aから「やるって言ったのにどうしてしないのか」と責められます。

AにはBにとっては自分が強要したことになっているという自覚がありません。

全くそのつもりがないので当たり前です。

そして、BはAに嫌気が差すか、「自分は約束も守れないクズなのだ」と自信を喪失していきます。

あるいは、Bが完璧な良い夫、良い妻を目指そうとして、Aが逆に気づまりになっていくパターンもあり得ます。

Aがまともな人間なら、ギブに対してテイクしようと考えるでしょうから、自身の負担も大きくなっていくでしょう。

 

上手く行けば成長も望めるパターンではありますが、長期的に見ればビジネス・パートナーではなく夫婦なのですから、ギブ&テイクだけの関係は寂しく感じる人もいるかと思います。

 

まとめ

さて、好ましくないパターンならないためには、最初から無理な提案は飲まないことです。

Aは提案しているだけで、Bに拒否権があります。

しかし、ただ拒否するだけでなく、ここでBが考えなければならないのは、Aが本当は何を望んでいるのかということです。

何がキッカケでAが怒り狂ったのかを考えれば分かります。

それをしないようにすれば、お互いに心地よい生活が保たれることでしょう。

*1:このような説明すると、Aのほうに一方的に問題があると思われるかもしれませんが、そんなことはありません。Aのような性質を持つ人物には、相応の長所があります。このことは別の機会に説明する予定です。